547年後半:リムの漁場にて
2005年 08月 12日
エセルバートの職場はガアチなので、全く正反対の場所にあるリムの漁場でポーっとしているなんて、珍しいことです。
「何やってんの、父さん」
何気なく声をかけたところ、息子に気づいたエセルバートはこう答えました。
「誰かいい人いないかなと思ってね……」
ああ、ファイディメ母さんがいなくなってから、寂しいんだろうな……という様子です。
そんな父を見て、
「父さん、再婚したら?」
アルバートの口から自然とそんな言葉が出てきました。
「レイトもそのうち家を出て行くだろうし、俺も始終父さんの家に行ける訳じゃないし。父さんには誰かが傍についていたほうがいいと思うよ」
「はは……でも、こればかりは相手がいないとね」
エセルバートはちょっと苦笑しながら、そのまま立ち去りました。
しっかり者の母が亡くなってから、覇気がないように見える父が少し心配です。
アルバートは実際の生活のほうが大事だと思う性格なので、母を思って暮らすより、父親に再婚して元気にやっていってもらったほうがいいのですが、確かにこればかりは相手がいないとどうにもなりません。
そして、職場が一緒のエレノールが仕事を途中で切り上げたようなので、声をかけてみたところ、
「ワクト神殿にスピリット訓練に行くの」
とのこと。
「訓練してるの?」
びっくりしてアルバートが訊ねると、
「し、してるわよ(たまに)」
エレノールが心外といわんばかりに頬を膨らませます。
「でも3Sは……ええと、44,48,46……?」(←成人前の学生並です)
「ち、ちょっとずつ訓練してるのっ」
「ふぅん……」
「何笑ってるのよ」
「イヤ、そういうところが可愛いと思って」
「な、何よー!///」
ふくれっつらのエレノールを笑いながら見送って、アルバートも今日の仕事に取り掛かりました。
今年も順調に仕事ポイントを稼いでいるので、年末にメダルが貰えそうです。
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by blue-ground | 2005-08-12 18:17 | 6代目アルバート