556年前半:
2005年 11月 16日
アルバートはショルグ新年祭にコークショルグ長として出席しました。
もう何年もショルグ長を勤めているので、リーグランキング読み上げにもすっかり慣れましたが、
(んっ?)
今年、Aリーガーの読み上げ時に、見覚えのある名前に引っかかりました。
同じコークショルグ所属の
スカンデルが、Aリーグ5位に上がってきていたのです。
スカンデルの名を読み上げながら彼のほうへ眼をやると、向こうもパチパチウィンクしています。
3Sも129・129・168と、悪くない感じ。
ということは、今年のAリーグ戦でスカンデルと対戦があるということになります。
ようやく身内対決が出来そうです。
ちなみに、
エレノールは去年3勝1敗と言う好成績を残したため、今年ジマD1位でした。3Sは98・92・90。去年と比べて、またちょこっと上がってます。いつ訓練してるんだ……
その他、
ヴァシリーサはミダB4位、
弟のレイトはコークC3位(3Sが156・154・188もあるのにリーグを上がってこないよ~)、
娘のユーフェミアは何ともうコークD2位
でした。
10日。
父エセルバートとパーフィさんの結婚式。
二人はパーフィさんの姓のノバクを選びました。
再婚して第2の人生を始めた二人は、休日には一緒にガアチのお店に立ってたりして、仲はとても良さそうです。でもきっと二人の主導権はパーフィさんにあるんだろうな。
そして夜の大会。今年はコーク杯。
この日決勝でしたが、シード出場のアルバートが勝利。コーク杯なのでコーク技でポイントが獲得でき、楽勝でした。
KO勝ちだったのですが、この試合で27KOとなり、最多KOとして共和国レコードに殿堂入りすることになりました。また、コーク杯に2回優勝したので、「剣豪」の称号を与えられました。
これで、シニア杯、議長関係以外の武術の称号は全部とったことになります。
翌日、アルバートが通りを歩いていると、
「アルバート」
ヴァシリーサに声をかけられました。
彼女は駆け寄ってきて、アルバートと並んで歩きながら話し始めました。
「ねえ、覚えてる? 成人したての頃、私と兄さんとあなたで武術の色んな称号を取ろうって言ってたこと」
「(えっ?)いや、あれはヴァシリーサが一方的に決めてただけだろ……俺は取る約束した覚えはないぞ」
「(←聞いてない)結局、あなたが全部称号取っちゃったわね……」
ヴァシリーサがしみじみと呟きます。大人の仲間入りをしたばかりの頃の、色々な夢や希望を思い起こしているようです。
ヴァシリーサは暫く黙っていた後、思い出したように不意にアルバートに顔を向けて、
「ドラゴンゲイルはもう体得しないの?」
「俺には無理だよ。どんなに頑張ってもスタミナのレベルが届かないし」
「でも、じゃあ、スタミナのレベルが届かない人間がどこまで龍技獲得に近づけるかって、いい研究になりそうと思わない?」
「無理だって(汗)称号取って本を読んでやっただけでも感謝してくれ……」
ヴァシリーサの要求を聞いていると、キリがありません。去年また龍の書の続きを読まされたアルバート、辟易してその場を去ろうとしました。
その背中へヴァシリーサが一言、
「あっ、今度”剣豪列伝”読むのお願いねー!」
(やっぱり……)
聞こえなかった振りをして返事もせず、仕事場に向かいます。
勉強しない奥さんもアレですが、勉強熱心のあまり周りを巻き込む身内というのも、ほとほと困りものだと思うアルバートでした。
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by blue-ground | 2005-11-16 19:24 | 6代目アルバート