557年後半:6代目最終記事
2005年 11月 25日
アルバートの試合は22日、23日、24日とありましたが、相手のAリーガーの武術レベルもそんなに高くないせいか、どれも勝利。
そして27日。
この日はAリーグ1位VSAリーグ2位の試合の日なので、対スカンデル戦です。
スカンデルの3Sは139・140・183。アルバートはピークを過ぎてしまっているので、今146・142・169。レベルは拮抗しています。
ですが、アルバートはお得意のコールドランスで155VS98でスカンデルを降して勝利しました。
「あぁ~!! また負けた!!」
頭を抱えているスカンデルを見ながら、内心息をつくアルバート。
(ちょっと危なかったな……)
まだコークショルグ長の座を譲る気はありませんが、もしスカンデルがこれから強くなるタイプなら、そうも言っていられなくなるでしょう。
(※この辺のエピソードは次代へ続きます)
28日。
最後の年だったので、仕事を頑張り、アルバートはこの日久しぶりに仕事のメダルを貰いました。
29日。
エレノールと明日のデートの約束をしました。
夜、娘のビアンカに「お父さん、どう最近?」と聞かれ、「明日、エレノールとデートするんだ」とアルバートが答えると、父の返事を聞いたビアンカが意味ありげに笑っていました。
30日。
PCとしては最後のエレノールとのデートです。
夕方、アルバートが大通り南で待っていると、通りの向こうから、少し遅れてしまったエレノールが急いでやってきました。ずっと昔、初めてデートの約束をして彼女を待っていた時のことを思い出します。アルバートは彼女が着くのを待って、手を差し出しました。
「手、繋ごうか」
「うん」
アルバートの手を、エレノールが握り締めます。
手を繋いで並んで歩き始めた二人の傍を、これから遊びにでも行くのか、末っ子のアーサーと、その従姉のトヤノワちゃんが連れ立って走り抜けていきました。
あの二人も、自分たちみたいに幼馴染のいとこ同士で結婚したりするのだろうか?
遠くなっていく子供たちの後姿を見て、そんな感慨に耽りながら、アルバートはエレノールとゆっくりデートを楽しみます。
デートからの帰り道、
「前から聞きたかったんだけど、私のどこが良かったの?」
エレノールが、ふと思い出したように訊ねてきました。
「俺は君が良かったんだ」
「だから、何で私が良かったの?」
「可愛いから」
アルバートの言葉に、エレノールが頬を膨らませます。
「それってどういう意味? 私がとろいってこと?」
「違うよ、傍にいたいって思っちゃうんだ」
「そうなの?」
「じゃあ、君は俺のどこが好き?」
「それは……」
エレノールはちょっと考えてから、
「すごく真っ直ぐなところ。嘘をつかないところ。私のことを考えてくれるところ。仕事も訓練も真面目なところ……あら、意外にたくさんあるみたい」
「だろ?」
「……それと、年下っぽくないところかしら」
「俺も君のお姉さんに見えないところが好きだよ」
「も、もう、それって私をバカにしてない? ほら、笑ってるわよ……」
「はは……」
コークショルグ長邸が近づいてきました。デートもそろそろ終わりです。また暫く黙って歩いた後、エレノールが不意に手をぎゅっと握って声をかけてきました。
「ねえ、アルバート」
「ん?」
「私、あなたと過ごせてとても幸せよ」
「……うん」
住み慣れた我が家に戻ってきました。これから後何年一緒に過ごせるかわかりませんが、アルバートにとっても、エレノールと一緒に暮らして、子供を育てて来た人生は幸せでした。アルバートは今までの感謝を込めて、そしてこれから残りの人生も同じように過ごせることを願って、彼女の手を取って家の中へ入りながら、最後にこう伝えました。
「愛してるよ、エレノール」
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by blue-ground | 2005-11-25 20:08 | 6代目アルバート