595年前半:
2008年 01月 10日
1日。
レイチェルは去年、リム4位にランクインしたおかげもあり、お給料をたくさんもらったので今年は奮発して仕事道具は龍のしっぽを借りてきました。
これでたくさん王魚が釣れれば、もう少しで(プレイヤーの目指す)棚ボタリムウルグ長圏内の3位です。
さて、今年前半の武術大会はコーク杯です。
夜、クラリッサママが
「コーク杯に出場するの」
と話しかけてきました。
ママはここ最近、優勝までは行かないものの、大会の出場常連になりつつあります。
ちなみに今回のコーク杯は、1回戦は勝ち抜いたものの、2回戦で敗退してしまいました
2日。
今日はショルグ新年祭。
レイチェルは今年、上のリーグに上がり、B4位になっていました。去年3勝したおかげです。
その他、身内や友人の今年のコークショルグのリーグ順位は、
ママがA3位、
レイチェルの姉ミュリエルがB5位、
ボーダン君は去年2勝2敗だったためか、また去年と同じC5位、
兄のウォルターと、アトリ君は、昨年末にコーク所属の運び屋を大量投入したプレイヤーのせいでリーグを上がれず(笑)、それぞれ外6位、外7位となっています。
さて、新年祭に参加して順位発表を聞いていたレイチェルは、今年のコークショルグ長が見たことのない人なのに気づきました。
ショルグ長として皆の前に立っているのは
ウィスニーさんという、
昨年30日に何と14歳でA1位となり、ショルグ長に初就任した人。どうりで、今までの新年祭で見たことがないわけです。(ちなみにあのマイクさんの末娘。ウィスニーさんの3Sは今のところ102/119/77 とそんなに高くないのですが、性格的に強いんかな……)
というわけで、隣のボーダン君に話しかけたレイチェル。
「ねえボーダン、今年はずいぶん若いショルグ長よねー」
「あれ、オレの彼女」
へっ。
ボーダン君の彼女がレイチェルの同級生タリデアからウィスニーさんに変わってました!(実際は少し後でタリデアが失恋してて気づいた)
恐らくタリデアとは湖デート寸前まで進んでいたはずなのに、去年ミスタープルトになったせいで、やはり色んな女性から声をかけられたみたいで、レイチェルの知らない間に、どうも去年末にはボーダン君の彼女が変わってたみたいです。
「あんたタリデア振ったの!? 知らなかった!」
「そりゃー去年レイチェルさんはアトリと楽しくやってたからなー」
「ち、違うわよ仕事で忙しかったのよ!! それより、タリデアはいい子なのに何で振ったのよ?」
「んー……、オレ訓練行くからさ、それに理解のある人のほうが、やっぱいいんだよなあ……」
口調はいつもと同じものの、いつになく真面目な表情のボーダン君。
「信心深い」タリデアより、訓練するタイプのウィスニーさんのほうが、彼に理解を示してくれたのかもしれません。
そして4日。
レイチェルと年の近い叔母のジョリーンが
「不幸のどん底」でリムウルグにやって来ました。
どうやらせっかく出来た恋人のオズバルド君にいつの間にか心変わりされて、振られたようです……。知らんかった…(汗)
去年はレイチェルは自分のことにかまけていて、NPCのデートチェックがまったく出来なかったので、何だか色々と周りの恋愛状況が変わってしまっていたようです。
去年は仕事も忙しかったし、その……いろいろあったから、全然周りの状況なんて見てなかったのよね……
とレイチェルが釣り糸を垂らしながら考えていると、アトリ君がやって来て、
「レイチェルさーん! 何やってるの?」
「……(じぃっとアトリ君の顔を凝視)」
「え……? な、何かぼくの顔についてる? (あたふた)」
(やっぱり去年あたしに色々あったことの最たるものって、この子よね……)
「??」
7日。
この日、
ヒデキさん(19歳)とダイアンさん(20歳)夫婦にメーダド君と言う男の子が産まれたという知らせがありました。
この二人は、ボーダン君の両親です。
「うわーオレ9歳にもなって兄ちゃんだぜ!」
ボーダン君には一つ年下の妹もいますが、年の離れた弟がいきなり出来たのにびっくりして興奮気味のよう。
途中で会ったアトリ君と一緒に出産のお祝いに行った帰り、
「あんな兄貴で赤ちゃん大丈夫かしらね?」
と心配するレイチェルに、答えるアトリ君。
「うん……でも、ボーダン君は小さい頃ぼくともよく遊んでくれたし、今もぼくによく(妙な?)アドバイスくれるし、年下への面倒見はいいと思うよ」
「へえ……」
レイチェルはちょっと驚きです。
レイチェルにとって、1つ下のボーダン君は、学生時代からの仲のいい子分であり、勉強嫌いでちょっと「おちょうしもの」なところのある男の子にすぎませんでした。しかしこうしてアトリ君のボーダン君への評価を聞いて、目からうろこが落ちた思いのレイチェル。
もちろん、レイチェルの知らないところで面倒見が良かったらしいボーダン君と、そうやって人のいいところを見つけることの出来るアトリ君の、両方にです。
まあでも実際のところ、ボーダン君の面倒見は、
「(ものすごく危険な高さに放り投げて高い高いしながら)よーしメーダド!! 早く大きくなって兄ちゃんと一緒に訓練に行こうぜー!!」
「だー!!」
とか? (超おおざっぱ)
そう言えば、ここの家族は、
両親とも「超ワイルド」、
息子のボーダン君とその妹ヤナちゃんも「超ワイルド」という
ワイルド一家。
とりあえず、このメーダド君も将来「超ワイルド」の訓練魔になることは間違いないな…。
ちなみに1年後に判明したメーダド君のお顔は、
この顔でした。
そしてこの日も、王魚とワタワタが釣れるまでプレイヤーがひたすらリセットをしつつ、レイチェルが仕事をしていたら、夕方、ついに、
レイチェルの仕事ポイントが3位のルプラさんを超えた…!!
これで後はルプラさんに再度抜かれないように仕事ポイントを稼いで行けば、リムウルグ長のテクセーラさんからの棚ボタリムウルグ長ゲット計画は万事OKです!
8日。
朝、アトリ君がレイチェルの家までやって来ました。
「レイチェルさん、明日デートしない?」
「明日? ごめん、ちょっと用事……と言うか、仕事が……」
レイチェルはちょっと訳があって、この日のアトリ君のデートのお誘いを断ってしまいました。
初めて断られて、一瞬びっくりしたような顔をしたアトリ君。しかしすぐに、気を取り直したように、
「そっか……。残念だけど、でもレイチェルさんは仕事を頑張ってるから仕方ないよね」
とアトリ君は笑って立ち去って行きました。
その後ろ姿を見送りながら、
ごめんね、アトリ。でも本当に仕事で忙しいのよ!
と、レイチェルも初めてデートの誘いを断ってしまって、少し罪悪感です。
#実は次はアイシャ湖デートなのですが、現リムウルグ長のテクセーラさんが亡くなる予定の日は12日で、少なくともレイチェルが棚ボタウルグ長になるのは12日以降。なので、今婚約デートをしてしまうと結婚式が10日になってしまい普通に家を出て行かなければならなくなるので、デートが出来ないのです。
それにそれまで、ルプラさんにウルグ順位を再度抜かれないように、少しでもポイントを稼いで、差をつけておかなければなりません。(あと結婚前に勤勉性を少なくとも+500近くまで上げておきたいためもある)
するとこの日から毎日連続して、アトリ君が9日はリムウルグに来て、
「レイチェルさん、仕事中? がんばってね」
「う、うん」
10日夕方、家を出たばかりのレイチェルを見つけて駆け寄ってきて、
「こんばんは、レイチェルさん。あの……元気?」
「う、うん」
と、レイチェルの気持ちを推し量ったように、デートのお誘いではなくて、声をかけにだけ来るようになりました。※本当はどっちも「何やってるの?」でした
そしてこの日、レイチェルに挨拶だけして帰ろうとしていたアトリ君に対して、
デートもしないのに、わざわざ声をかけてきてくれて、何だかちょっと悪いわよね……
と、柄にもなく心苦しく思ってしまったレイチェルは、とっさに彼に声をかけて呼び止めました。
「アトリ、ちょっと待って」
「え?」
「これ、あげるわ。持って行きなさいよ」
そう言ってレイチェルが彼に渡したのは、魚グラタン。ちょうど、夜釣りに行こうとして疲労回復用のお弁当を自分で作って出かけようとしていた時だったのです。
「これ……レイチェルさんが作ったの?」
「そうよ」
「……あ、ありがとう、レイチェルさん」
渡された料理を見、それからレイチェルを見て、アトリ君はすごく嬉しそうな笑顔になりました。
え……いやそんな顔されても、何だかあたしが困っちゃうんだけど!
アトリ君があんまり嬉しそうなのと、慣れないことをして、自分のほうがドギマギするレイチェル。
「さ、魚グラタンいっぱい作っちゃったから、おすそ分けよ」
「うん、ありがとう。大事に食べるよ!」
弾んだ声でそう答えるアトリ君。そして彼は、レイチェルに手渡された料理を大切そうに抱えて、ご機嫌で帰宅して行ったのでした。
さて、アトリ君の姿が見えなくなるまで、日暮れ時の家の前に立っていたレイチェル。
するといつの間にか、戸口で二人の様子を後ろからそっと伺っていたらしいママが、傍に寄って来て、レイチェルに優しく声をかけてきました。
「……あの子が、レイチェルの大事な人なのね?」
ママの言葉に、一瞬間をおいて、
「……うん」
ちょっと赤くなった後、素直にうなずいたレイチェルです。
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#本日まで拍手&メッセージありがとうございました。
そういや、ノズル&ヴィクトールのやり取りは去年の6月にヴィクトールが亡くなった記事以来、半年振りだったので、前回記事は書いている私も楽しかったです!そしてアホですみません…
by blue-ground | 2008-01-10 00:00 | 10代目レイチェル