10代目番外編:アトリ★君の冒険その3
2008年 09月 15日
前回ラストの翌日ですがまだ言ってる↓
同じショルグ長でも、仕事のことを教えてくれる人もいました↓
(8代目ヴィクトールのジマでのライバルだったマイクさんです。ガアチウルグだったらしい)
うーんノズル君もアトリ君と同じガアチだったんだけど……この差は何だったんだろう。性格? 移住者と同じ所属のショルグ長は、武術のことしか言わないんだろうか。
※※※※※※※※※※※※
さて、17日。
アトリ君が今日もガアチにノズルさんの観察をしに行くと、彼はやはり朝から働いていました。
まだ朝も早くて、ガアチの火床にはそれほど人が来ていません。アトリ君は、せっかくだからとノズルさんにこう声をかけてみました。
「おはようございます、ショルグ長さん。あの……隣で一緒に仕事をしても構いませんか?」
「え? 別に、勝手にすれば」
というわけで、ノズルさんと並んで仕事を始めたアトリ君。
邪魔しちゃ悪いかな……と、アトリ君が黙ったまましばらく並んで採掘をしていたら、
「おい」
「えっ?」
どうやら、じっと仕事をしているのが性に合わないのか、ノズルさんのほうから、話しかけてきました。
「お前、オレの後ばかり追い掛け回してるけど、いい人探しとかしないの」
「あ、ぼく、母国に婚約者がいるんです。年末に母国へ帰って結婚するんですけど……」
「ふーん」
「彼女はぼくなんかよりしっかりしてて……ぼくは年下だけど、何とかその人にふさわしい男になりたいなって思ってるんです」
「変に色々考えてないでとっとと押し倒せば」
「ええええ(あなたの娘さんですよ!!) き、気も強いし、4つも上の大人だし……って、そ、そうじゃなくて、ぼくがショルグ長さんの強さや自信を見習って帰れればなあって思ってるんです!」
「へえ……」
ノズルさんが採掘している手を止め、意外そうな顔を向けてきたので、ちょっと困ってしまったアトリ君。
(へ……変な話しちゃったのかな……)
ところが、ノズルさんが不意に漏らした言葉はこうだったのでした。
「オレの最初の嫁さんも、オレより4つ上だったな……」
(え……ええっ!?)
「年上の女が良く見える時もあるよな。わかるよ」
そう言って、ちょっと笑ったノズルさん。彼がアトリ君に笑顔を見せてくれたのは、初めてです。
(ノ、ノズルさんってクラリッサさんの前にも結婚してたの!?)
びっくりして声も出ないアトリ君の横で、ノズルさんはまた黙々と仕事に戻ってしまいましたが、自分たちの意外な共通点を知って、どうやら彼は、アトリ君にまた少し親近感を持ってくれたよう。
ともかく、ノズルさんが怖いだけの人じゃないことが、段々判ってきた気がするアトリ君です。
さて、そんなこんなでようやくこの国に慣れてきたアトリ君。
19日朝、とうとう、移住者会話も終わり、国の皆と普通の会話が交わせるようになりました。
残念ながら、アトリ君から見てアラモさんは友人になりませんでしたが、前の晩から話しかけていたせいで、アラモさんはアトリ君を友人と思ってくれた様子。
そして、なんとノズルさんも
「おはようございます、ショルグ長さん」
「ん? ああ、お前か。何か用か?」
アトリ君を友人とみなしてくれるようになりました。
プレイヤー的にはホントは「おっす アトリ」と言って欲しかったんですが…!
さてその夜、普通の会話が出来るようになったアトリ君が、
手にアイテムを持って向かった先は、
アラモさんの家。
この夜、食材の取れないガアチのアトリ君は、(渡すセリフが出るようになったこの日のために)バハとリムでアルバイトをして取っていた茸と貝でつくった料理を、アラモさんに差し入れに来たのでした。
「こんばんは、アラモさん。あの、きのこと貝のソテーいりませんか?」
「おや、この間の移住者さんかね。これはどうもありがとう」
と受け取りつつ、アラモさんは不思議そう。
「どうしてわしなんかに料理を?」
「お一人だと料理が大変じゃありませんか? それにぼくも一人暮らしなので、一緒に食事が出来る相手がいればと思ったんです」
にこにこしながらそう答えたアトリ君。
先日、男一人でわびしく暮らしている父親を見たアトリ君は、
お母さんはぼくに教えてくれるくらい料理上手だったけど、お父さんはそんなに上手じゃなかったもんなあ……
と思って、アラモさんに料理の差し入れを持って来たのでした。
というわけで、料理を一緒に食べることにした二人。
持って来た料理を一緒に食べ、とりとめのない話をしていると、アラモさんがアトリ君を見てポツリと呟いてきました。
「わしにももし子供がいたとすれば、あんたぐらいの年かなあ……」
アラモさんももうこの時20歳。恵まれていれば、確かに成人の子供がいてもおかしくない年齢。早い人だと、もう孫もいる年です。
「なかなか縁がなくってなあ。このまま、一人で終わってしまうかもなあ……」
そう言って自嘲気味に笑うアラモさん。どうやら今夜二人で食事をしたことが、アラモさんに高齢で一人で暮らすことの寂しさを余計に強く感じさせてしまった様子。
ぼく、そんなつもりじゃなかったのに……! と焦ってしまったアトリ君は、
「だ……大丈夫ですよ、将来ちゃんと結婚して、子供も一人だけですけど、生まれますから……!」
「え?」
「あ……え、えっと、ぼくの国では今のあなたよりもっと高齢でも子供が出来た人もいましたから! だから、そんなに悲観しなくても、大丈夫ですよ」
「そうか。そうだといいんだがなあ」
「大丈夫ですよ、きっと」
将来、ちょっと遅いけどお母さんと結婚して、ぼくが生まれるんだ。
子供はぼくだけだったけど、その分たくさんの愛情を注いで育ててくれたんだ……!
でもさすがにそこまでは言えなくて、静かに、でも力強く念を押すことしか出来なかったアトリ君。
「不思議だなあ。あんたが言うと、何だか本当に大丈夫な気がしてくるよ」
アラモさんがアトリ君を見てうなずいています。そうしてこの夜遅くまで、二人は色んな話をしたのでした。
そして一夜明けて翌朝、アラモさんは
「そうか、まだまだわしも捨てたもんじゃないか……」
と、
張り切ってエナコンに出場。
「わしもまだまだ若いモンに負けずブイブイ(死語)言わせるぞ! わっはっはっ」
(お、お父さん!? 年を考えてよ!!(汗))←何となく見に来て仰天
※アラモさんはアトリ君には遺伝しませんでしたが、ミダの魂の才能もちで、けっこう魅力が高い人でした(本プレイもでミスタープルト取ってます)
ま、まあしかし、このエナコンでは、アラモさんは惜しくも?ミスタープルトは取れず。(ちなみにこの時のミスプルトは、ノズル君のお姉さんのアリシアさん(19歳))
でも、若者を押しのけてエナコンに出たこと自体、アラモさんには自信を取り戻すきっかけになったようで、
ちょっと先ですが↓
さっそくシルビーさんという彼女も作ってました(!)。
「~♪」
(お、お母さん以外の人と……!! お、お父さんのバカ!!)
アラモさんに変に自信を持たせてしまって、激しく後悔するアトリ君でした(笑)
21日。
今朝もノズルさんは、お弁当を持って朝から仕事でした。
これまで、彼はほぼ平日は毎日、朝からガアチの火床にやって来ています。
(ノズルさんって不真面目かと思ってたけど、意外に働くんだなあ)
ショルグ長にもなって強さを極めた人だから、それからやっとこうやって働き始めているのかもしれない……!
さすがに慣れて来たアトリ君は、ノズルさんにいつものように声をかけました。
「おはようございます! ショルグ長さんって訓練ばかりかと思ってましたけど、ちゃんと仕事もされるんですね」
「え? ああ……オレはあんまり仕事は好きじゃないけど、クラリッサが弁当持たせてまで行けってうるさいからな」
どうやら、ノズルさんは奥さんのクラリッサに言われてることもあって朝は仕事に来ているよう。新婚さんだし、今はまだ奥さんの言葉にちょっと弱いのでしょう。
※ノズル君は不真面目ですが、9代目クラリッサで観察していた時は、割と朝から仕事に向かい、しかし午前中で飽きて仕事場を抜け出し、昼からは訓練スポット巡りという行動パターンでした(今回もそう)
「訓練ばかりだと、やっぱり心配しちゃいますからね。ぼくの婚約者もよく病気になってて、やっぱり心配でした」
「ふーん。お前はクラリッサと気が合いそうだな」
「そうですね、そう言えばクラリッサさんとは家の中でよくお喋りしてます!(にこにこ)」
「家の中でよく……」
「はい、よく……(にこにこ)」
「……」
「……」
(こ、こいつ、いつうちに上がりこんでクラリッサとしゃべってるんだ……!? オレが夜中訓練行ってる時か!? こんな童顔のクセに間男なのか!?)
(あれ……? ぼくクラリッサさんと一緒の家に住んでるわけでもないのに、何言ってるんだろう??)
と、自分でも知らぬ間にノズルさんを微妙な疑心暗鬼にさせつつ(笑)、アトリ君がふと気づくと、ノズルさんのステータスに、「明日試合」と出ています。
そう、明日からAリーグ戦、ノズルさんの試合が始まるのです。
「ショルグ長さん、明日から試合なんですね! ぼく、応援に行きます!!」
思わず声を弾ませて、ノズルさんにそう言ったアトリ君。
「あ、ああ」
ようやくノズルさんの試合っぷりが見られるんだ……!!
移住してきて約10日、明日にはコークA1位とショルグ長の実力を目の前で見られるとあって、その日はの残りを興奮気味で過ごしたアトリ君でした。
その夜、コークショルグ長邸宅で↓
「あら? ノズルさん、今日は夜の訓練に行かないんですか? だとしたらとっても嬉しいです!」
「え? あ、ああ何となくな。……それよりお前さ、今までオレのいない夜の間に……」
「? 何ですか?」
(……い、いやこいつはオレにベタ惚れのはずだ! そうだ、そうだよな!!)
「?」
慣れない煩悶に頭を抱える新婚のコークショルグ長と、それを首をかしげながら見つめる妻の姿がありましたとさ。
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by blue-ground | 2008-09-15 00:00 | 10代目レイチェル