605年後半(2)   


サフィール君の将来の夢は、



そしてこっちもこう言ってます。



※※※※※※

さて20日夜、



自宅にさっさと帰っていたドラケンは、遅れて帰宅してきた双子の弟ブリヤンクにこう言われました。

b0057741_2072626.gif「ドラケン、ミルドレッドちゃんがバカって伝えてって」
b0057741_2065278.gif「……えっ!?」
翌朝21日、ギタの学舎でも、

b0057741_191327.gif「おはよーみんな! あ、ドラケン、お姉ちゃんとまたケンカしたの? お姉ちゃんが今日会ったらバカって言っとけって言ってたよ」
b0057741_2065278.gif「ええっ?」


そして夕方、授業も終わって、今からちょっとだけ遊びに、または身内のナイターを応援しに行こうといっせいに学舎から走って出てきた子供たちの集団の中に、ミルドレッドはドラケンを見かけました。

b0057741_2062380.gif「……あら、おバカさんなドラケンさんじゃありませんこと」
b0057741_2065278.gif「?? ちょ、ちょっと待ってよミルドレッドさん」
b0057741_2062380.gif「何よ」
b0057741_2065278.gif「ブリヤンクにもキリアンにも散々言われたけど、何でぼくがバカなわけ? エナコンなら、ぼくの言った通り、セイシルの芳香なしでもミスプルトになれたじゃない」
b0057741_2062380.gif「あたしに何も言ってくれなくて帰っちゃったくせに?」
b0057741_2065278.gif「……大人に混じってのこのこぼくがおめでとうなんて言いに言ったら、それこそバカだよ」
b0057741_2062380.gif「えっ?」
b0057741_2065278.gif「ともかく、おめでとうって言わなかったからバカなの? それって子供がすねてるみたいだよ」
b0057741_2062380.gif「も、もう子供じゃなくって大人よ! そう言うドラケンなんて、ホントにまだ子供じゃない」
ミルドレッドの言葉に、ムッとしたようにドラケンも言い返してきます。

b0057741_2065278.gif「そうだよ、子供だよ。ミルドレッドさんと違ってね」
b0057741_2062380.gif「……」
な、なんかまただわ……。
気まずい雰囲気になって、黙ってしまったミルドレッド。
お互い学生だった時は普通に話して遊んでたのに、ミルドレッドが成人したら、ドラケンが急にこんなふうに冷たい物言いをしてくるようになってきて、ミルドレッドには理解できません。

成人すると、仕事や試合に向けての訓練に励めるようになるのももちろんですが、学生の時と決定的に違うのは、結婚できるようになること。そのため、今年成人したミルドレッドが小さい時の約束に、ドラケンをより強く意識するようになったのとは反対に、ドラケンは何故かどんどんそっけなくなって行くよう。

まだドラケンの成人まで1年半もあるのに、こんなことじゃ、せっかくミスプルトになったのに、あたしどうしたらいいの?


ミルドレッドがそんなことを考えていたら、ドラケンが不意にこう言って来ました。

b0057741_2065278.gif「……ミスプルトになれたし、あの人と付き合うんでしょ?」
b0057741_2062380.gif「え……? 誰のこと?」
b0057741_2065278.gif「あの全能のミスタープルトの同級生」
b0057741_2062380.gif「サフィール君? どうしてあたしがサフィール君と付き合うの?」
確かにサフィール君は今年1度だけミルドレッドを遊びに誘って来ましたが、その後特に来てくれたりはしていません。
ミルドレッドの答えに、ドラケンが意外そうな顔になりました。

b0057741_2065278.gif「あれ……遊びに誘いに来てたの見たし……全能のあの人と釣り合うためにも、ミスプルトになりたかったんじゃなかったの?」
b0057741_2062380.gif「ええっ?」
b0057741_2065278.gif「ミスタープルトが付き合う相手は、普通ミスプルトだし。それに……」


それはミルドレッドが成人する数日前、ミルドレッドを含めて、あと数日で大人になれる学年の子たちが学び舎の最後の授業の合間に集まって、将来の夢を話していたときのこと。
サフィール君は、ミルドレッドにこんな夢を話してくれました。

b0057741_21122691.gif「ぼく、大人になったら将来議長になるんだ」
b0057741_2048063.gif「えっ、そうなの!?」
b0057741_21122691.gif「うん。そんなに驚くほど変かな?」
b0057741_2048063.gif「う……ううん、素敵よ! で、でも……サフィール君なら全能だし、ミスタープルトにもウルグ長にもショルグ長にも、他の何だってなれるよ!
b0057741_21122691.gif「そう?」
b0057741_2048063.gif「う、うん、そうそう、何だってなれるんだから!!」



b0057741_2065278.gif「……って、あの人をすごい褒めてたのを聞いたことがあるんだけど」
あの時、サフィール君を一生懸命褒めていて、ドラケンが後ろで聞いていたなんて知らなかったミルドレッドは、そう真顔で言うドラケンに思わず叫んでしまいました。

b0057741_2062380.gif「……だ、だからバカなのよ!!」
b0057741_2065278.gif「えっ」
b0057741_2062380.gif「ドラケンは乙女心をわかってなさすぎよ!! 」
あの時のミルドレッドの言葉には、

サフィール君だったら、議長じゃなくても何だってなれるよ。でもサフィール君が議長になっちゃったら、ドラケンが議長になれなくなっちゃうもの。だからサフィール君は他のになって、あたしはドラケンが議長になれるよう応援して、ドラケンと一緒にあの白い議長のおうちに住むの!

という思いが隠されていたのに、どうしてドラケンがわからないのか、ミルドレッドはもどかしくてたまりません。 

b0057741_2062380.gif「あ、あたしは約束を覚えてるのにドラケンは忘れちゃったの? あたしはお嫁さんになる人を決めてるのに! 議長になって、邸宅に連れて行ってくれるんじゃなかったの? 」
b0057741_2065278.gif「えっ、って……」
b0057741_2062380.gif「だからあたし、ミスプルトになって待ってるつもりだったのに……!!」
急にまくし立ててきたミルドレッドに、ドラケンは意表を突かれてたじたじです。
ミルドレッドはてっきりドラケンも約束を覚えてくれているものとばかり思っていました。

でも、もしかして覚えてないの? それとも、あたしの勘違いだったの? だからあんなに冷たかったの?
 
その時、

b0057741_191327.gif「またケンカしてるの? ダメだよードラケン。 帰ろお姉ちゃん!」
遊びから戻って来た弟のキリアンが走り寄って来て、ミルドレッドの腕を引っ張って歩き始めました。

b0057741_2062380.gif「え、でも……」
と引っ張られながらためらうミルドレッドに、キリアンは小さい声でこっそりと、

b0057741_191327.gif「だってお姉ちゃん、泣きそうな顔なんだもん。だから、ぼくと家に帰って落ち着こ」
……弟にそう言われては、帰るしかありません。
背後でドラケンが何か言いたそうな顔をして後に残っているのを置いて、ミルドレッドは弟に手を引かれて帰宅です。



そうして自宅へ帰って来てしゅんとしていたミルドレッド。そんな娘に、両親が揃ってこう口にしてきました。

b0057741_2084239.gif「ミルドレッド、早く結婚しなさい」
b0057741_2092518.gif「そろそろ結婚のことも考えないとね」
b0057741_2062380.gif「……あたし、もう結婚できないかも……(溜息)」
b0057741_2084239.gifb0057741_2092518.gif「ええっ? ついこの間ミスプルトになったばかりなのに??」
お母さんもお父さんも首をかしげています。

だって、お嫁さんのアテがあるとばっかり思ってたのに、何だか勘違いだったみたいなんだもの。せっかくミスプルトになったのに……。

エナコンで優勝すると、ミス(ミスター)プルトを射止めようと、こぞって色んな人がデートに誘いに来るようになります。
この後のミルドレッドも例外ではなかったのですが……エナコンの投票時と同じくおじさんばかりのお誘いに、ミルドレッドは全然気が乗らなくて、お断り。

ミスプルトになったあとの目標が定まらないまま、それでも日々はいつものように過ぎていくのでした。

23日。

今夜のナイターを見ようとして、プルト闘技場にやってきたミルドレッドは、とある子を見かけて声をかけました。

b0057741_2062380.gif「こんばんは、ミルドレッドちゃん」
b0057741_11183124.gif「……(気がついてもじもじ)」



今年起床して歩き出すようになったミルドレッドちゃんは、PCミルドレッドと偶然にもおんなじ名前の子。生まれて天使ウィンドウで知らされた時はプレイヤーがびっくりしたものです。
こちらのミルドレッドちゃんは、現コークナァムの第一子の更に第一子(直系の孫)なので、そのまま行けば将来コークナァムになる予定のお嬢様だったりします。

b0057741_2062380.gif「あたしは試合を見に来たんだけど、ミルドレッドちゃんもそう?」
b0057741_11183124.gif「……」
ミルドレッドちゃんは恥ずかしそうに小さくこくんとうなずくと、逃げ出すようにその場をターッと走り去ってしまいました。

あ~今日も行っちゃった……!

と、ちょっと残念なミルドレッド。
同じ名前なんて珍しいので、ミルドレッドは彼女を見かけるたびに声をかけているのですが、子供のミルドレッドちゃんは自分と同じ名前を口にするのが恥ずかしいのか(?)、何度話しかけてもよそよそしくて絶対にミルドレッドを名前で呼んでくれません(笑)
いつかお互いミルドレッド呼びをするのが、PCミルドレッドの夢だったりします。


25日。
この日は。、ミルドレッドの姉エリンと、従兄のコンボイさんの結婚式でした。

今日からお姉ちゃんが家から独立していなくなってしまうと思うと、何だか淋しいミルドレッド。早々に、会場である神殿で、お姉ちゃんの式を見守ろうとミルドレッドが待っていたところ……午後の式だったこともあり、新郎新婦は時間どおりに来たものの、お母さんとお父さんが来ません!!(汗)

b0057741_18592852.gif「お、お父さんとお母さんったら、どうしちゃったのかしら……!?」
b0057741_2062380.gif「ふ、二人とも午後の式だからって、ゆっくりしすぎじゃないの~!」
と姉妹で焦っていたところ、式も始まった時、

b0057741_2092518.gif「ご、ごめん! 買い物してたら遅くなっちゃって……!!」
ヌヌギを引きずって来たお父さんが何とか間に合い、



式半ばに、

b0057741_2084239.gif「やばい!始まっちゃってるわ、ごめんねエリン!」
とばかりにお母さんが飛び込んできて、ようやく両親も揃いました。晴れの舞台に両親欠席とならずに済み、ミルドレッドも一安心。そう言えばなぜか、ミュリエルとベイセルがコンボイさんのほうに参列してました。
エリンとコンボイさんは、コヤマ姓を選択。(多分)初めて、元PCの子供がPCの姓を継いでくれました。

良かった良かった、お姉ちゃんたち、末永くお幸せにね!


そうして無事結婚式を終えたお姉ちゃんたちが新居へと幸せそうに連れ立って向かって行ったのを見送りながら、

b0057741_2062380.gif(ああ、あたしはこの神殿で式を挙げることがあるのかしら……)
とも思ってしまったミルドレッドです。




さて、年後半は母レイチェルのAリーグ戦です。
22日は議長のケートさんとの対戦。ケートさんはかなり強いので、さすがのお母さんもKO負け。PC時代から、ケートさんにはなかなか勝てません。
そし23日は現コークショルグ長のレイアさんに、114点の同点で判定勝ち。

26日の、同じくAリーグにいるボーダンおじさんとお母さんの対戦は、お母さんのKO勝ち!



b0057741_13374255.gif「あああ、やっぱりレイチェルさんに勝てねえー!」
b0057741_2084239.gif「だから、いい加減コーク技オンリーなのはやめなさいって言ってんじゃないのよ……」

そして27日最終戦、この朝はレイチェルとミュリエルの試合だったので観戦に行ったミルドレッド。
すると、朝の試合なのに、



レイチェルが遅刻してきて、ミュリエルの不戦勝でした。
 
あら、お母さんが遅刻なんて珍しい! とびっくりのミルドレッド。

b0057741_191327.gif「お母さん何やってたの? ぼくせっかく応援に来たのに!」
b0057741_2084239.gif「キ、キリアンのお弁当作ろうとしてたら遅刻しちゃったのよ!! って言うかあんた学校じゃなくて応援に来てるし!

パンのもとを持っていたお母さんは、朝から料理しようとして、試合に遅れてしまったようです(?)

こんな感じでレイチェルお母さんのAリーグ戦は2勝2敗。
残念ながら、少し勝ち数が足りなくて、来年もコークショルグ長には返り咲けなさそうです。

ところでこの日、レイチェルの姉アリエル(故人)の娘で、ミルドレッドの従姉に当たる

b0057741_20374557.gifロレインさんが去年産んだ
双子の娘さんが起床したのですが、お顔を見に行って(プレイヤーが)びっくり。
こんな双子でした。



かわいい!
両親とも1系北なので、1系北の、しかもフローラちゃんとサンドラちゃんと言う、なんとも可愛らしい名前の双子ちゃんです。フローラちゃんはお母さんソックリのタラ顔だし、サンドラちゃんはノズル君の血を引いてる(ひ孫に当たります)クラリッサ顔な上に、ノズル君の旧姓のナカリャコフ姓を持つ子。プレイヤー的に嬉しい~!
おまけにこの二人の兄のクランド君は王子顔の茶髪版。なんとも美形な兄妹です。


29日。
この朝、レイチェルお母さんが慌しく家を走って出て行きました。休日なのにどうしたのかしらと、お母さんを追いかけて行ってその理由を知ったミルドレッド。
リム2位のレイチェルお母さんは、リムウルグ長選挙の立候補者となっていたのです。
今までずっとコークショルグ長をやっていたのが、去年の年末に残念ながら戦績が悪くて解任されて今年は一般人に戻っていたため、立候補のチャンスが回ってきたよう。

ミルドレッドはバハウルグなので、リムには投票できませんが、お昼の集計を見たらレイチェルお母さんが圧倒的に優勢でした。
そして夕方、「あなたの新居はバハ区北邸です」という通知が。
お母さんが、無事リムウルグ長に当選したのでした。

帰り道、



リムウルグ長の服を着て、ご機嫌なお母さんを見て、

今まで赤いショルグ長服しか見たことなかったけど、真っ青な服もなかなか映えてるわ、お母さん! 若返って見えるし、お父さんも喜ぶんじゃないかしら?


と嬉しく思いながらお母さんと一緒に家に入ったミルドレッドが見たのは……青いリムウルグ長服を着て家にあがったお母さんを見て、信じられない光景を目にしたかのように目を見張り、そのまま固まったお父さんの姿でした。

b0057741_2092518.gif「レイチェルさん、その服……」
b0057741_2084239.gif「これ? 今日リムウルグ長に選ばれちゃったのよ。2位だったけど、結構票をもらっちゃって。でもこれで、若返って見えるかしら?」
b0057741_2092518.gif「……うん、見えるよ。とっても似合ってるよ」
嬉しそうに報告するお母さんに、やっとの思いでうなずきながら、その傍にやって来たお父さん。その顔がとても感激しているように見えて、不思議に思ったミルドレッド。
お母さんがウルグ長になったのが、そんなに嬉しいのかしら?と思ったミルドレッドでしたが、そのわけは、お父さんが続けた言葉でわかりました。


b0057741_2092518.gif「その真っ青な服、レイチェルさんの花嫁衣裳だったよね……ぼくと結婚したときの。ぼく、よく覚えてるよ」

お父さんの言葉が、懐かしさにあふれています。お父さんは、青い服のお母さんに、昔、自分のお嫁さんになった時のお母さんの姿を見ていたのです。

両親が結婚した時、母がリムウルグ長だったことを、ミルドレッドはこの時知りました。そんなに若い時に、お母さんがウルグ長をやったことがあるなんて、知らなかった……!

b0057741_2092518.gif「またその服を着たレイチェルさんを見られるなんて思ってなかった。何だか、あの時に戻ったみたいだ……」
お母さんの手を取って、とても嬉しそうな様子のお父さんと、

b0057741_2084239.gif「え、そ、そうかしら……」
時々こんな風にまっすぐな感情表現をしてくるお父さんに、とっくに慣れたはずなのにいざとなるとやはり恥ずかしくて戸惑って、いつもの強気はどこへやらのお母さん。
その二人の間にドカッと割り込んできたのが、



b0057741_2085921.gif「ちっとも嬉しかあないわよ!!」(どーん)


同居のレイチェルがリムウルグ長になったおかげで、今年のAリーグ戦で3勝1敗の好成績を残して来年のA1位になっていたミュリエルは、(↓翌年1日のランキング)



初めてコークショルグ長になれるはずのチャンスを失ってしまったのでした(笑)


b0057741_2085921.gifあたしのショルグ長の座がぁぁ!!!」(←大荒れ)
b0057741_2084239.gif「ご、ごめんお姉ちゃん(汗) でもウルグ長が先に決まっちゃうのはしょうがないでしょ!

ちなみにプレイヤーは、28日の時点でミュリエルが今年の成績から来年のA1位になるのを知ってたので、てっきり30日にミュリエルがコークショルグ長になって、一家でリム区北邸に引っ越すものだとばかり思ってました。なので、29日にレイチェルがリムウルグ長になって、あ、あれ??となりました…



さて、ようやく今年も終わり。

エナコン後、ミルドレッドはいつの間にか魅力女王1位になっていましたが、結局、今年ミルドレッドは恋人を作りませんでした。

あれから学舎にも行かないで仕事をするようになったから、ドラケンにも会わないし……それに、年上の人なんて全然考えてなかったから、今のところ、他にいいなと思う人がいないんだもの。

いいと思う人がいないのはミスタープルトのサフィール君も同じらしく、ゴシップ掲示板の魅力ランキング1位を独占したまま、二人とも一人身。

こんな状態で、国の恋愛事情に支障をきたしていることを今年成人したばかりのミスター&ミスプルトは知らないまま、年末も暮れて行くのでした……。


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by blue-ground | 2008-12-11 00:00 | 11代目ミルドレッド

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